項羽と劉邦
http://d.hatena.ne.jp/w_o/20120515#1337086205
この時に、父親に読むならどれ読むべきか聞いたら項羽と劉邦読めと言われたので読んだ。
一年ごしだが…歴史ものってバトル展開はじまるまで読む気しないから、なんかこうなってしまうんだよね…
内容としては、人類最強の項羽と、戦えば必ず負けるが愛嬌だけで生き残る劉邦とどっちが勝つかというような内容で、まあWikipedia見れば普通にネタバレ書いてあるけど、予備知識ゼロで読みはじめた。
まあおもしろかった。
トップは個人の能力が高いのと、部下の能力をうまく使うのとどっちが大事か、みたいな話を書くといいのだけど、そのへんは各自読めばいいと思うので、それ以外の感想を書いておくと…
まず、始皇帝って何なのかよく知らなかったけど、すごい人だったんだな。
そんで、中央集権国家なんてみんな嫌で、始皇帝の死後、あっさり秦が無くなるのもすごい。
現代では、戦争で生き残るにはある程度中央集権でないといけない、というのは十分判明してて、中央政府を解体して、各地でルールを決めようみたいなのはあんまり考え辛いのだけど、それをあっさり実行してる。
まあ、言われてみると当然のことで、例えば、会社とかが勝手に決めたルール(USBメモリ使うなとか)不満タラッタラみたいな人なんていくらでもいて、そういう人達からすると、「あいつらは何もわかってなくてルールを作ってるだけだ実態に即してないクソが」みたいな理屈は十分あるし、まあそれが国家レベルになったと考えれば、ごく当然のことなのだけど、現代人は、「国家の作った法律がクソ。法律を作るやつらは何も考えてない」みたいなことってあんま考えない…いや、そういえば今日は児童ポルノ云々があったか…まあ、法律がクソだから国家を潰そうと考える人はいないはず。
だとすると、法律に抵抗して国家転覆を企てるかどうかの境界ってどこにあるのだろうか
- 小さい頃から法律があって刷り込まれてる
- そんなにつらい法律が無い(強制労働させられた上に死刑とか)
はたして今後日本が中央政府を解体して封建社会に戻る日は来るだろうか。
あと司馬遷がすごい。
今でも使われる故事成語やら逸話やらの元ネタがぽろぽろ出てきて、これってソースは史記なんだが、学術的価値とエンターテイメント性を兼ね備えた史記を書いた司馬遷が偉いと思う。
あと「背水の陣」は、実際には別働隊がいてそっちのほうが鍵で、「逃げ道を塞がれた味方兵」は、より大きな戦術の一部でしかないので、背水の陣って、根性でなんとかするというわけではないということがわかったのでよかったと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84