そういう方法でやってると、だんだんと、作業員達のモチベーションは下がっていく。
手順をひたすらドキュメントとして残す、というのはひねくれた見方をすれば、「自分にできることは誰でもできるというのを非常に面倒な作業を通して、自分の力で証明する」というのをやらされてるわけで、そんなのにやる気が出せるわけがない。もちろん、ここでも、「お金もらってやってるのに、そういうのは無責任」と、いうのは非常に正しい意見である。が、そこらへんは知らない。


そうなると、会社全体として、なんとも言えない雰囲気になってくる。「みんな、それなりに、作業しています」って感じ。ここらへんで、「仕事は安定するより面白いほうが良い」と考える変人は他の仕事を探し始める。(収入の安定と、仕事の面白さを求めるのと、どちらが多数派なのかは知らない、が、変人は大体後者だろう)
結果として、会社には、安定したがる普通の人が残る。会社は、ゆっくりと、「普通の人達が、誰でもできる作業を、それなりに、こなしてます。」っていう感じに向かっていく。


「誰でもできる作業をやる」のは、響きとしてはネガティブな感じがあるけど、社会は、いまだに「誰でもできる作業」をする人をまだまだ必要としてるわけで、それも立派な仕事として成り立つ。


と、いうふうに考えると、「普通の人達が、誰でもできる作業を、それなりに、こなしてます。」っていう状況はもはや理想形と言えなくもない。手順を残すのは、「誰でもできるように」が、目的なわけで、それは達成されてるだろう。つまり、「手順管理によって、立派な仕事ができる」と言える。だから、会社は、ドキュメントによる手順管理を推進する。そこに間違いは無い。


会社に行って、みんながなんとなく作業して、なんとなく終わる、という状況は非常に良い状態なのである。