蝉の幼虫が轢かれていた

我々の直感からすると、蝉の幼虫は成虫よりも貴重な存在、珍しい存在のように感じてしまいがちだが、蝉が5年間地中に潜っているとすると、成虫の数x5以上(途中で死ぬ数を入れるともっと)の数の蝉の幼虫が地中にいるはずで、全然珍しくないはずである。

こう考えると、蝉がいかにリスクを背負って地上に出ているかを感じる。天敵に見つかる率は地中にいる頃と比べものにならないだろう。しかもあれだけ鳴いてるし。もはや隠れるのを諦めているとしか思えない。

あれは人生が残り一週間だとわかっているからできる所業なのだろうと思う。

さて、人生のピークを人生の最後にもっていくという考えかたがある。信長とかカエサルとかは、人生のピーク時に暗殺されることによって、印象をさらに強くしたという部分があるだろう。

人生のピークを人生の最後に持っていきたい。人間はどこがピークなのかわからないので、死に時を逃してしまうのだが、蝉は完全にそれをコントロールしてると言えるだろう。蝉のような生きかたをしたいものである。

まあ、でも実際自分が蝉になったとすると、幼虫のまま地面の中で過ごす気がする。